広島の方より遺産分割のご相談事例
2018年06月12日
Q:遺産分割はやり直しができるのでしょうか?(広島)
父の相続が発生し、相続人間での意見がまとまり遺産分割をしましたが、しばらくして、相続人の1人に遺産分割のやり直しがしたいという意見がでてきました。この場合遺産分割をやり直すことはできるのでしょうか。現金、株式や、広島にある実家の相続についても再度、遺産分割のやり直しを検討する必要がありそうです。(広島)
A:相続人全員の合意があれば遺産分割をやり直す事が可能です。
遺産分割協議によって一度決まった内容をやり直したい場合には、相続人全員がやり直しをすることに同意している必要があります。相続人の中に一人でも遺産分割のやり直しに同意しない相続人がいる場合には、やり直しをすることはできません。
遺産分割のやり直しをする場合には、税金面も考慮する必要があります。一旦決めた遺産分割によって財産を取得した相続人から、やり直しによって他の相続人へ財産を渡す場合には、財産の贈与となり贈与税が発生する場合がありますので注意が必要です。
また、相続財産が何であるかによっても変わってきます。相続財産が現金であれば、遺産分割協議書を作成しなおし、現金の再分配を行っていくことによってやり直しとなりますが、広島にあるご実家については、実家を取得した相続人への名義変更が完了していると、相続する人が他の相続人になる事になりますので、相続ではなく、贈与となります。万が一、最初の遺産分割で何かしら間違いがあった(錯誤)とう事由により遺産分割をやり直しをしたいという場合でも、合意的な理由が必要となります。しかし、通常、判断能力が正常な成人によって話し合われた内容である為、間違いがある事は考えにくく、一般的には、贈与として扱われる可能性が高くなります。また、贈与税は相続税よりも税率が高い為、税金も高額になってしまいますので、注意が必要です。
上記の事を踏まえ、遺産分割のやり直しは相続人全員の同意が得られれば可能ですが、税金面の事を考慮すると極力避けた方が賢明でしょう。
遺産分割のやり直しがしたいという場合には専門家に相談することにより、法律上のポイントを見逃すことなく確実な遺産分割をすることが可能です。福島にお住まいの方は、当相談室にお気軽にお問合せください。遺産分割のやり直しにおける問題点や注意点についてもお伝えしながらアドバイスをさせていただきます。