相続手続きは、相続人の人数が多ければ多いほど、相続人同士の関係性も非常に重要なポイントとなってきます。相続人同士の関係性が悪いと、なかなか手続きが前進しません。そればかりか、争いに発展してしまうケースもあります。
また相続手続きには期限があるものも多いので、相続の全体像を把握したうえで相続手続きを進めていきましょう。
遺言書の確認と法定相続人の確定
相続が発生したら、はじめに遺言書の有無を確認します。なぜなら遺言書が存在しているか否かによって、その後の相続手続きの流れが異なってくるからです。
遺言書が残されている場合は遺言書が最優先となるため、遺言内容に沿って遺産を分け合い、名義変更などの相続手続きを進めていくことになります。それに対し遺言書が無い場合は、遺産の分け方について法定相続人全員で話し合わなければなりません。
遺言書の有無を確認した結果、遺言書が無かった場合は、被相続人の戸籍を調査し法定相続人を確定させます。遺産についての話し合いは法定相続人全員の参加が必須のため、法定相続人の確定は早めに行う必要があります。そのために、被相続人の出生から死亡までの一連の戸籍をすべて収集します。
ほとんどの方が転居や婚姻を機に転籍を複数回行っているため、戸籍は複数枚に渡ります。過去に戸籍が置かれていたすべての自治体に問い合わせるため、すべての戸籍が集まるには1~2か月ほどの時間を要します。戸籍が揃わなければ相続財産の名義変更などの手続きに進めないため、戸籍の収集は早い段階で取りかかりましょう。
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- 戸籍収集による相続人調査
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財産調査ならびに財産目録の作成
戸籍の収集とともに、被相続人(亡くなった方)の所有していた財産の調査を行います。
遺言書での指定がない限り、被相続人が所有していた財産は法定相続人が継承することになります。相続財産には、プラスの財産(預貯金、不動産、株式、自動車などの動産、借地権などの権利等)だけでなくマイナスの財産(借金、住宅ローン等)も含まれますので、すべて漏らさず調査します。
被相続人の遺品を整理しながら、通帳や不動産の権利書などを探しますが、もし存在するはずの通帳等が見当たらない場合や最新の状態が分からない場合は、金融機関や法務局への問い合わせが必要になることもあります。調査した財産を財産目録という一覧表にまとめておくと、その後の遺産分割協議や相続税申告の際に活用できるのでおすすめです。
財産調査の結果、プラスの財産を上回るマイナスの財産の存在が明らかになることもあります。財産調査の目途がたったら、相続方法についての検討も行いましょう。負債が多いことにより相続放棄をする場合は、相続の開始を知った日から3か月の熟慮期間内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行う必要があります。相続放棄の申述を行わないまま熟慮期間を過ぎてしまうと、被相続人の負債を背負うことになります。また相続放棄の申述が受理されると、財産を相続する権利も一切なくなりますので、慎重な検討が必要です。
- 相続財産とは
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- 相続放棄
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相続人全員による遺産分割協議
相続人の確定や財産調査の準備が整いましたら、遺産分割協議に進みます。遺産分割協議は遺産を誰が何をどの程度引き継ぐかを決定する話し合いで、相続人全員の参加が必須となっています。遺産分割協議の際に相続人が1人でも欠けてしまうと、その遺産分割協議は無効となってしまい、やり直さなければなりません。それゆえ、遺産分割協議の前に相続人を確定することが重要なのです。
なお、遺産分割協議は相続人全員が一堂に会する必要はありません。電話や書面でのやりとりで相続人全員の合意を得たうえで、協議内容を書面にまとめた遺産分割協議書に相続人全員が署名し実印で押印すれば協議完了となります。
- 協議分割と流れについて
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- 遺産分割の方法について
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- 遺言書がある場合の相続手続き
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相続税の申告および納付が必要な場合
相続で引き継いだ財産の価額によっては、相続税の申告および納付が必要となることもあります。
相続税申告は相続の開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10か月以内が期限とされています。相続税申告の対象となった方は、この期限内に被相続人の最後の住所地の税務署まで申告および納付を済ませましょう。
- 相続税とは
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